a reminiscence

The most capacious measure is filled at last.

ブラックメタルという「思想」

最近ブラックメタルに傾倒していることを書きましたが、サタニズムと一言に言い包められない物があることが分かってきました。なぜ特に北欧にブラックメタルバンドが多いのかを調べてみると単に反キリスト思想という訳ではなく、ペイガニズム、アニミズムシャーマニズム、ヴァイキング信仰、ケルト神話や古エッダ神話、スラヴ神話をはじめとする北欧の神話体系、そしてNS(笑)。一言で言えば原理主義な訳です。

思想的な音楽、と言うか思想そのものの音楽化の意味ではパンクに似た要素を持っていると思いますが、ブラックメタルは社会風刺や反社会体制を音楽にするのではなく、専ら宗教的なテーマに沿ったものが多いのです。宗教好きな私にはうってつけの音楽。

一般的な(失礼)音楽愛好家からしたら、極悪音質に音の割れたギター、ひたすら速くて反復的なドラミング、呻く、叫ぶ、がなるボーカルと音楽が往々にして持つ美的要素はカケラも存在しません。

しかしながら、それが不思議に胸を打つというか。落ち着くというか。

一時「ヒーリングミュージック」なるものが流行し「image」「feel」などの有名なオムニバスが乱立しました。癒し系ブームの音楽への派生です。私にとっての癒し系はブラックメタルなのかも知れません。思えば中学校の頃からXの曲をかけると一番良く眠れた思い出があります。

自分の中でユーロプログレブームがやっと落ち着いたと思ったら今度はブラックメタルブーム。両方とも底なし沼です。私は何事も研究的な視点で観察する癖があるのでそこもまた魅力なのかもしれません。

詳しくはWikipediaの「ブラックメタル」の項をどうぞ。

近代音楽の歴史を私小説的に一冊の本に纏めたいという衝動に駆られる昨今の私でありました。