a reminiscence

The most capacious measure is filled at last.

有機体は無機になれない

人の顔色が気になって仕方が無い。

人の顔色が少しでも違うような気がするとそれは自分の所為だと思う。

皆本当は嫌だけど必要だから無理をして私と話している。

そんな考えに囚われた時、私は自らを無機質の物体として認識することで逃れてきた。

ただ、今回は上手くいかない。

頭の中の声が止まない。五月蠅い。

このままではノイローゼになる。

左手の指がまだ少し痺れている。昼過ぎまでは殆ど力も入らない程だった。

今これを書いて今日一日を思い出していたらまた痺れてきた。

有機体としては十分過ぎる程無機化しているのに、効果が無い。

ただ、今の私には、そんな己を嘲笑う力も無い。

きっと今の私の表情は、死人のそれだ。