a reminiscence

The most capacious measure is filled at last.

今夜の切れ端

今夜も駅のプラットフォームに、帰りの電車が滑り込んできた。

そして、出て行った。

私は、プラットフォームに立ったままだった。

暫くしてから、「何故乗らなかったのだろう」とふと思った。

そして、そんなこともすぐにどうでもよくなってしまった。

次の電車に乗って、帰途についた。

このまま透明になってしまえば、きっと気持ち良いだろうかと冴え渡った夜空に問うてみた。

車窓から見える黒は、返事をしてはくれなかった。